僕は2010年夏にスペインで当時リーガ・エスパニョーラのプリメーラ・ディビシオン(1部リーグ)に昇格したばかりのアリカンテのエルクレスCFとレアル・マドリードの親善試合を見たのですが、そのとき活躍していた両チームの選手たちのその後を追っているとなかなかおもしろいです。
エルクレスといえばこの2010-11年シーズンに元フランス代表ダヴィッド・トレゼゲ、オランダのロイストン・ドレンテ(僕が見た試合ではマドリーの選手でした!)、そして2010年南アフリカワールドカップでPKを外した駒野に熱い激励をしたネルソン・アエド・バルデスが在籍しリーガでFCバルセロナの連勝記録を止めたことで話題になりましたが、翌年2部リーグ降格が決まるとともに主要選手や監督、スポンサーがあれよあれよというまに離れ、世の諸行無常を知りました。
なかでもコロンビア代表ミッドフィールダーアベル・アギラール(Abel Aguilar)はU-17やU-20代表でキャプテンを務めたこともある選手。エルクレスには2008-09に伊・ウディネーゼからのローンで、さらに2010-12に在籍していました。故障が少なく、選手層が厚くないエルクレスとしては重宝して10年シーズンに34試合、11年シーズンに35試合に出場します。12年デポルティーボ・ラ・コルーニャへのローンを経て13年トゥールーズに移籍するも目立った活躍をしているとは言い難いです。今ワールドカップでは対ギリシャ戦でコーナーキックからのアシストでグティエレスが得点する追加点に貢献しています。試合は3-0でコロンビアの勝利に。
また、レアル・マドリード側はプレシーズンマッチということで舐めてかかっていたうえに数日後にアウェーでスペイン対メキシコ戦を控えていたことで、代表に招集されているクリスティアーノ・ロナウド、カシージャス、シャビ・アロンソ、イグアインに休養を与え、主力級をことごとく欠く布陣でしたが、ベンゼマやファンデルハールトらのベテランに加えメスト・エジルが移籍後初出場、今年はスペイン代表に選出されているフアンフラン(フアン・フランシスコ・トーレス "JUANFRAN" Juan Fransisco Torres Belén, 現アトレティコ・マドリード所属。W杯今大会ではオランダ戦、チリ戦ともにベンチメンバーで出番なし)らカンテラの選手を多く試用した試合でもありました。
試合は前半39分エルクレスMFセンドアがフリーキックで先制、しかし後半はレアル・マドリードの猛反撃に合い、10分ベンゼマ、30分ディ・マリア、35分ふたたびベンゼマと1-3でマドリーがおさめました。
スタジアムは前半こそ地元エルクレスムードでしたが、その後は「俺たちだってホントはレアルが好きだ!」とばかりにレアル・マドリードムードに大転換。どっちを応援するというよりどっちが活躍しても盛り上がる、という感じでした。
そんなエルクレスですが、注目はセグンダディビシオン低迷期の2011年シーズンに加入していたMFフアン・ミゲル・カジェホンです。彼は同じ時期レアル・マドリードに移籍した(現ナポリ)ホセ・カジェホンの双子ですが、兄のような目立った活躍に恵まれず、エルクレスのようなスグンダディビシオンのチームを転々としてきました。2012-13年シーズンの途中でエルクレスからギリシャのレヴァンディアコスに移籍、14年はそこからさらにボリビアのクラブ・ボリバルに(レンタル?)移籍したことで13-14年シーズン36試合に出場し10得点をマーク、さらにコパ・リデルタドーレス2014でも4得点(同杯個人別3位)、なんとプロキャリア全28ゴールのうち14ゴールをこのクラブ・ボリバルで得ています!まさに新天地を見つけた彼ですが、実はチーム最多得点はフォワードのウルグアイ人ウィリアム・フェレイラの28ゴール!フアン・アルセの12ゴールが続きフアンミはチーム3位です。
ちょうどMLBで落ち目の選手が日本のプロ野球で助っ人外国人として大活躍するような感じなんでしょうか。
ナポリで大活躍するホセ・マリア・カジェホンが1シーズン37試合出場15ゴール、コッパ・イタリアでも最多得点選手に輝きチームを優勝に導くなど注目されていますが、数字の上ではそれにひけをとらない活躍を見せてます。
とにかく新天地を見つけたフアンミ・カジェホンとボリビア・リーグの今後を見守りたいですね。
エルクレスのほうは現在は元仙台大学の杉田祐季也が在籍しているのでそちらも注目していきたいです。
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