江田代表「維新の党、英語名も決めた。Japan Innovation Party。イノベーションは新陳代謝。政治の新陳代謝を促す。上意下達の古い政治モデル。地方創生と言いながらなぜ国が指図するのか。地方を知っているのは地方なのに。」 http://t.co/0GwWNkKzPk
— 柿沢未途(衆議院議員) (@310kakizawa) 2014, 9月 21
江田代表「維新の党、英語名も決めた。Japan Innovation Party。イノベーションは新陳代謝。政治の新陳代謝を促す。上意下達の古い政治モデル。地方創生と言いながらなぜ国が指図するのか。地方を知っているのは地方なのに。」 http://t.co/0GwWNkKzPk
— 柿沢未途(衆議院議員) (@310kakizawa) 2014, 9月 21
民主党を離党した谷岡郁子・舟山康江・行田邦子と国民新党を離党させられた亀井亜紀子によって結成されたみどりの風は2013年6月の参院選で候補者全員が落選したことを受け政党要件を喪失するとともに実質的な活動を停止し、同年12月に政治団体としても解散を届け出、公式サイトも削除されました。ところが、この直後に何者かが公式サイトドメインであった「mikaze.jp」を取得、「政治団体『みどりの風』について勉強しよう!!」というタイトルでサイトを公開してしまっています。
このサイト、「私は大学で政治経済を勉強している者ですが、最初はまったく興味なかったのに、なんかはまりだしまして・・・・・(笑)そして最近ではレポートで『みどりの風』という団体についてまとめたんですけど、せっかく時間をかけてまとめた『みどりの風』のレポートなので、サイトとして作ってみなさんに『みどりの風』や日本の政治について知ってもらえたらな~♪とか思っている次第です!!」という体を装っているのだが、ところどころ情報が間違っていたり古かったり、政治資金規正法についてなど関係性の低い説明が挿入されている。そして各所属議員についての説明となると節ごとに奇妙な文章が挿入されている。
まず国民が知るべきです!
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どうやらこのドメイン、アフィリエイト広告収入を目的とした広告サイトとして悪用されているようだ。
ためしにこちらのサイトでwhois情報を確認してみた。
みどりの風が合流した阿部知子衆議院議員の政治団体「日本未来の党」も公式サイトが閉鎖後、同様に「乗っ取り」を受けている。
日本未来の党は滋賀県知事の嘉田由紀子氏を代表に、小沢一郎氏のグループであった「国民の生活が第一」、減税日本の国政部分と合流した山田正彦元農相と亀井静香元財務相の新党、社民党を離党した阿部知子衆議院議員、みどりの風の衆議院議員らに民主党を離党した議員らを加えて12年末の衆議院議員選挙に備えて結党された政党であったが、旧「生活」以外の候補者で当選したのは阿部氏と亀井氏のみ、嘉田・阿部両氏と「生活」グループの対立により亀井氏が離党、嘉田・阿部氏が離党して新たに政治団体「日本未来の党」を立ち上げ、名前とロゴを引き継いだ。残った「生活」グループは政党「日本未来の党」の存続団体として森裕子を代表として「生活の党」に改称した。一方政治団体日本未来の党のほうは13年の参院選を前にみどりの風に合流を交渉、将来の完全合併を目標に政治資金管理などの手続き上の問題から当面は「未来の党」も存続させる形をとっていたのだが、同選挙で肝心のみどりの風が大敗して消失、よりどころを無くした未来の党は解散の機会を逸し、実質的な活動を伴わずに存続してきたというのが経緯だ。この間、かつて開かれていた日本未来の党主催の政治フォーラム・講演会や未来政治塾の活動もストップし、ウェブサイトやSNSの更新も全く行われてこなかった。そして今回の「乗っ取り」というわけである。
こちらのニセサイトは「滋賀県知事が代表になった日本未来の党」というタイトルで、「政治家には説明責任がある!」として「政治とカネの問題」に言及、みんなの党渡辺代表の不透明資金問題や最新の野々村竜太郎兵庫県議の問題にも言及、「日本未来の党」の分党に際して上記の小沢グループが存続政党として政党助成金を受け取ったことについても非難しています。さらに別のページでは「びわこ宣言」の内容や嘉田氏の来歴、知事としてのキャリア、果ては田中康夫元長野県知事や同氏の政治団体新党日本についてなどしっちゃかめっちゃかに内容が飛んでいます。(おそらくこのひと、新党日本のドメインも取りたかったんじゃないでしょうか、新党日本はまだ田中康夫個人の意見発信サイトのような形で残っています。)そしてところどころに挿入されている「政治についてもっと知りたい人へ」という文言。リンクにも何にもなっていないのですが、上記のみどりの風のサイトに見られるのと全く同じものです。おそらくしばらく経つとこのサイトにもアフィリンクが張られるのでしょう。
同じようにwhoisを見てみました。
はい、同じサーバー管理会社が取得してますね。2014年6月1日取得。
これは怪しいと思いほかにも思い当たる解散した政党名を打ってみたらもうひとつありました。
石原慎太郎(当時都知事)が応援団長として中心となり、旧平沼グループに自民党を離党した園田博之氏や与謝野馨氏らが合流して結党されたたちあがれ日本です。たちあがれ日本はご存じのとおりその後「太陽の党」に改称して「日本維新の会」に合流しています。現在(2014年7月)は維新が分党することになり、旧太陽系の議員や右派色の強い議員の多くは石原氏や平沼氏を中心とする「次世代の党」に参加予定です。
平沼グループ(「国益と国民の生活を守る会」)や「太陽の党」が結成発表後しばらく公式サイトが用意されていなかったなど、この党にはウェブに強い担当者がいなかったのが明白なので、狙い撃ちされたのでしょうか。みどりの風や日本未来の党のニセサイトに比べてずいぶんつくりが荒い気がします。レイアウトも文字ばっかりで読みづらいですし、配色も暗くて見づらいです。
アフィリエイト欄ばっかりです。
whoisを見てみますがやっぱり同じ業者です。登録年月日は昨年2013年の6月になっています。
これらのページは政党公式のものではなく、見た人に間違った情報や間違った印象を与えます。
意図はいまいち不明ですが活動を停止したこれら政党の知名度を利用して姑息な広告収入をちまちまと稼いでいるというだけなのかもしれません。この、サーバーホストのメディアウォーズという会社、2chにスレが立っていました。
詐欺サイトのホスティングをして犯罪をほう助することが多い会社のようです。
おそらく、現在活動しておらず選挙に候補者を擁立していない政党のウェブサイトを勝手に立ち上げてその情報を電子空間上に流布させることについてはネット選挙解禁に関する新しいルールでは特に規定されておらず、こうしたニセサイトを立ち上げる行為自体は不法ではないのだと思います。
また、解散した政党についてはその政党名が商標権として登録されていることもないと思いますし、こうなると政党名が商業利用されることも不法ではないように思われます。
いまはすぐに政党がくっついたりなくなったりする時代ですから、各党の知財権担当者には自党だけでなくそのルーツとなった各党のドメイン名の不当な入手に注意して欲しいです。
どうもマスコミは本気でセクハラ野次問題に取り組む気があるのかどうか非常に疑わしいです。
各社が報じるところによると、4月の総務委員会で日本維新の会・上西小百合議員が人口減少問題について質問中、男性議員から「早く結婚して子どもを産まないとダメだぞ」との野次があり、さらに議場からは複数の拍手があったとのことです。上西議員は自民党の議員を名指しで批判しているそうですが本人は否定しているとのこと。ありえない異常事態ですがそれが常態化しているのが議会。こんなことはしょっちゅうある話です。
このニュースの元になったのはどうやらこちらのアンケート調査(常態化する「女のくせに」。女性議員から男性議員へのハラスメントも 週刊チキーーダ!(飯田泰之&荻上チキ)緊急調査 vol.2)のようなのですが、なぜ上西議員の受けたセクハラだけが今回ニュースとしてクローズアップされているのか非常に疑念を感じざるを得ません。とくに塩村都議の受けた野次問題が次第に塩村氏自身の選挙以前のプロフィールに関するゴシップに報道がシフト状況下で、僕は議会野次や議会のマチズムを指摘する例としてあまり適切だとは思いません。
塩村氏の受けたセクハラ野次の問題が報道されるようになって以降、いままでも複数の地方議会議員や国会議員が、いままでもこうした野次があったこと、場合によっては状態化してきたことを証言しています。
そうした中で、「ここでひるんではかえって女性議員が舐められる状況を再生産する」と、セクハラに果敢に立ち向かってきた女性議員も多数います。
(以前の記事でも西東京市の納田さおり議員のFacebookのコメントを引用しました。
「ヤジられることに馴れきってしまった私には庇ってもらえて良いですねとしか思えませんでした。
ちなみに私だったら「子どもがいないから出産や子育て支援の質問をしてはいけないのですか?子どもがいないからこそ、客観的に見れるものもあるのでは?ではご自分でも子どもを育てた事がおありになるの?」と怒鳴り返してしてしまうだろうなとf(^_^;)...
女性だからこそ、燐とした対応の見せ処では。
もちろんヤジの内容は酷いですが、可愛そうに甘えてしまっては、女性議員の立場が舐められます。 」)
それに対して今回の塩村都議、上西代議士ともに野次に苦笑してしまっているのです。あろうことか、上西氏に至っては「がんばります!」などと応じている。これでは野次を飛ばしたほうも、見ていたほうもこの野次が上西氏への激励になった=プラスに作用したと判断してもおかしくありません。こうした「相手も喜んでるんだからいいじゃないか」という勘違いがさらなるセクハラを誘発する事態をみなさんお酒の席でもよく見てきたはずです。塩村氏の反応も上西氏の反応も、セクハラ野次を横行させる土壌を容認しかねないという意味で同僚や後世の女性議員にとってあまりいい影響を残すとは思えないのです。
上西氏は「やじに拍手喝采する議員の多さにがくぜんとした」と述べ、「議論するのが仕事と自任しているので、軽くいなして先に進むしかなかった」と当時を振り返った。
さて、この上西小百合氏、塩村氏とおなじく「維新政治塾」の元受講生で、12年の衆院選で日本維新の会の公認候補として大阪7区(摂津市・吹田市)から出馬し、選挙区では自民党元職のとかしきなおみ氏には敗れたものの、民主党の藤村修官房長官(当時)を下し選挙区得票率で二位につけ、維新旋風を受けて比例で当選しています。9月に分党予定の維新の会の中では松野頼久氏が暫定代表を務める所謂橋下グループに参加意向です。学生時代に天神祭「ギャルみこし」などのキャンペーンガールを務めた経験もあり、衆院選では陣営のスタッフが有権者の買収行為で公職選挙法違反で大阪府警に逮捕されるなどしており、つまり、週刊誌のゴシップネタをたくさん提供してきた経緯があるひとなのです。
繰り返して言うようですが、私はセクハラ野次を受けた側の議員の資質を問う議論が、野次を正当化する理由には全くならないと思っています。加えて、議員になる以前の過去で人物の資質を問うのならばそれは選挙のときに議論するべきです。議員になってからの実績を全く精査せずに議員としての資質を問うこと自体も奇妙な話だと思っています。
もし、この上西議員の過去をして「こういうヤツが女の代表みたいな顔してるからセクハラがなくならないんだよ」というような意見があるならそれは言語道断です。セクハラや他人の尊厳を傷つけるような野次の問題はずっと存在してきた問題であり、それが議会政治に関心が強い一部の層以外にとっては表面化してこなかっただけの話なのです。ですから、逆にこのような脇道にそれた議論に足を引っ張られて議会の改革が進まないのならば、議員の意識改革が進まないのならば、それは最初から他人の尊厳を傷つけるような野次の撲滅に対して本気じゃないということです。
にもかかわらず、今回の報道では必ず上西議員の人物にスポットがあてられることは明白です。塩村議員をめぐる報道が当初は「女性の人権を踏みにじるもの」などと言われながらだんだんと塩村氏自身のゴシップを探す報道にシフトし「なんだ~、どっちもどっちなのね~」という意見に世論をミスリードしていったように、今回上西氏に対する野次が大きく報道されたことは最初からそうした方向に結論を導くべくしてメディアが叩きやすいひとを担ぎ出してきたとしか思えないのです。
彼女たちがなぜ少子化問題・子育て支援の問題を取り上げるか。(すべての議題について言えることですが、)先輩ベテラン議員たちが繰り返し取り組んできたにも関わらず遅々として対策が進まない分野であるからです。だから、このような問題に足をとられているまに、さっさと実効性のある少子化対策・女性の職場環境向上やセクハラ撲滅に対する対策を打ち出していってほしいと切に願います。
追記(2014年7月4日20時頃);上西議員に不適切な発言をしたとして自民党の大西英男衆議院議員(東京16区=江戸川区選出)が名乗り出、電話で上西議員に直接謝罪したことを明らかにしました。自民党は都議会のセクハラ野次問題に続きこの問題でも閣僚や党幹部らが記者会見で痛烈に批判、早期の幕引きを図っています。党内からは党内体質の改善を望む声も上がっていて、これはいい兆候です。決して当人同士の個人的問題に収束させてはいけません。
野田聖子総務会長は4日、取材に対し「そういう(セクハラに鈍い)土壌がある政党なので懸念していた。社会の鉄ついを食らって、古い自民党を変えてほしい」と語った。
(時事ドットコム:自民、早期収拾に懸命=政権へのダメージ懸念-セクハラやじ問題)
自民党の平将明衆議院議員は自身のFacebookで3年前の2011年に行った超党派国会改革勉強会で提出した提言内容を紹介しました。
当時はねじれ国会が常態化し、国会が機能不全に陥って国民の政治不信・国会不信が非常に高まっていました。
そのなかでまとめられた提言の中に、議員個人に判断を委ねる「党議拘束の緩和」や「質問要旨の事前通告義務化」のほか、「質疑における暴言や野次の一掃」というのがありました。
2、審議における「暴言」「ヤジ」の一掃、品位ある国会へ
国会において国民の信頼を最も失っている行為の一つが質疑における「暴言」と議員の「ヤジ」である。私たちは「品位ある国会」を目指し、人格攻撃や誹謗中傷はもちろん、本会議を含めた限度を越えたヤジの一掃のため、議長あるいは委員長による議事整理の権限が適切に行使されるよう求める。また「品位ある言動」に賛同する議員の署名を募りたい。
この提言をまとめた当時の「超党派国会改革勉強会」に集まったのは、以下の4党17名、もとはねじれ国会がはじまった2007年を契機にしてはじまった自民・民主の8衆議院議員の勉強会で、同じメンバーで中央公論に論文を掲載。2010年末から拡大したそうです。
自民党: 河野太郎、平将明、柴山昌彦、古川俊治、福岡資麿
民主党: 馬渕澄夫、泉健太、津村啓介、長島昭久、舟山康江(みどりの風に移籍後2013年参院選で惜敗)、吉川沙織
公明党: 遠山清彦、谷合正明
みんなの党:水野賢一、山内康一、桜内文城(日本維新の会に移籍後参院選に鞍替え出馬し当選)
衆参両院の議長や委員会長、各党の国会対策役員を回り、申し入れを行いましたが、一定の評価を得たものの採択には至らず、その後勉強会の活動も収束していったようです。
その後自民党青年局など、各党の内部で国会改革に関する取組や勉強会が進められてきました。今年5月には首相の委員会出席軽減や党首討論の月例化、政府質問の事前通告の前倒しを軸とした国会改革案が自民・公明・民主・維新の4党の合意により可決しましたが、その他の部分については各党の意見の隔たりがあり、議論が平行線となっていました。
いまいちど、国会対策を見直す時期に来ている段階です。平議員は今回この勉強会を再結集・再始動することを表明しました。
の記事の補足です。
・自民党に蔓延する女性蔑視と「伝統的家族観」
複数の地方議会の女性議員の話を聞くに、子育て問題で非常識な野次を飛ばすのはいつも自民党議員である。
みんなの党の浅尾代表の記者会見のなかの言葉で、「公約に子育て支援を掲げている党の議員が実際にはそれと違うことを考えているというのはおかしい」と表明していたが、自民党の議員で子育て支援をちゃんと考えているひとなどほとんどいなかろうと思います。
(※みんなの党記者会見の様子はこちらに全文レポが→
みんなの党、発言者特定に声紋分析を実施~セクハラヤジ問題で塩村都議が会見~)
都議選のときも目立つところに「子育て支援」と書いているのに裏を見ると「行き過ぎた男女平等を見直し日本古来の家族の姿を取り戻します」とか「保育所に頼らずとも家庭で子どもを育てられるように支援します」とか時代錯誤も甚だしい文言を書いている候補者が多々いました。有権者はたいていそんなところ読まないですから。そもそも古来日本では農家や商家は共働きが一般的で、保守派が掲げている「伝統的家族観」とやらは武家に特殊な形態を維新後、あるいは戦後過度に美化するかたちで発展させた価値観でありさほど長い伝統ではありません。女が目立つのがひたすら我慢ならないようですね。
自民党だけではありません。保守派を中心に「親学推進議員連盟」なるものがあります。政策を推進するタイプの議員連盟には民間のロビー団体がセットになっているのが一般的ですが、親学議連のカウンターパートは「親学推進協会」。“児童の二次障害は幼児期の愛着の形成に起因する”として、親が愛情をもって家庭で(=託児せず)こどもを育てることで発達障害は防止できるとしたトンデモ理論の推進団体です。
2012年には大阪市会において、大阪維新の会市議団が「伝統的家族観」を守り、親が子に愛情を注げるよう支援することで発達障害を防ぐ「家庭教育支援条例」案を提出。非科学的知見に基づくというバッシングを受けて撤回する事態も起きました。
(大阪市・家庭教育支援条例(案)全文 - 発言する保護者ネット)
かつて、当時自民党総務会長であった笹川尭氏は、小渕優子衆議院議員の少子化・消費者担当大臣入閣(麻生内閣)について、「なぜ大臣になれたかといえばこどもをひとり産んだからだ。そうでなければおまえ方法はわかっているのかと言われてしまいますよ。」などと発言した。(2008年頃)
ここでいう「方法」というのは子づくりの仕方、不妊の対策、親として子どもを産み育てる準備の仕方、子育て支援の方策などいろんな含意があると思われるが、この発言について「失言だ」「セクハラだ」「時代錯誤だ」などと批判されたが、セクハラなのはまあ間違いないとしても私自身はどちらかというと笹川氏は自分の意見を述べたというより自民党が少子化担当相というポストをどうとらえていたのかを的確に指摘したととらえている。つまり、子育ては「母親の問題」であり、少子化対策のやり方は「子育て中の母親にしかわからない」というのである。自民党政権下で少子化担当大臣は実際に子育て中、あるいは子育て経験のある女性議員が就くのが定番となっており、男性議員がなったことはない。
(ちなみに少子化担当相は民主党政権下で何回か男性が担当したこともあるが、これについては全く関係ない大臣職との兼務だったり、すごいたくさんの大臣職の兼務だったりと、そもそも少子化担当大臣が重視されていないフシがあるし、民主党の人材不足だったりといった要因が主だった可能性もあり一概に「民主党では男もやってるぞ!」と威張れるものではないのだが。野田内閣での女性閣僚の人数の少なさたるや惨憺たるものだ。)
やおい・BL同人誌研究者の金田淳子氏はツイッターで以下のように発言している。
少子化関係で、既婚子持ちの女性議員が抜擢されてわざわざ「子を産み育てた立場から~」みたいな所信表明をするの、やめて欲しいと思ってたんだけど(子どもがいなくても、男でも立場が同じなら代弁できる話だから)、あれは国民に向けてというより、おっさん議員に対する牽制だったんだなと理解。
— 金田淳子@6/13雄っぱいイベント (@kaneda_junko) 2014, 6月 18
この基本姿勢、第二次安倍内閣でも幼い子供を持つ森雅子氏を少子化担当大臣に据えたことでどうやら受け継がれているらしいことがわかっている。少子化対策について総理としてどう考えるのか、という野党議員の予算委員会での質問に安倍首相は「非常に重要な問題でありますのでこうして森雅子先生にお願いしているわけであります。」などと頓珍漢な答弁を発し、苦笑を誘っている。重要な問題であればなぜ議員経験も浅く、特に子育てや少子化の問題に注力して活動してきたとは言えない当選一回の議員に任せるのだろう?
※追記2014/6/22
この記事に「過熱報道」などのキーワードでたどり着いた方、この記事では主に「この問題はそもそもそんなに取り上げるべきことなのか?」ということについて慎重に考察しています。
もしもとめている情報がこの記事に書かれているのと違うようであれば、ぜひ みんなの党 「おときた駿」都議のブログ(とくにBLOGOSに転載されたもの)を読んでみるとよいと思います。執拗な犯人捜しや都議会バッシングに対する違和感はそちらに語られています。6月18日付のもの、6月20日付のものは必見です。
どうにも違和感が抑えられなくなったので筆をとります。
18日(水)、東京都議会本会議(第2回定例会)で行われた一般質問で、会派「みんなの党 Tokyo」の塩村文夏(あやか)都議の質問に対して女性の人権を愚弄するような野次が飛ばされたことで話題となっています。
NHKニュース
18日行われた都議会の一般質問で、みんなの党の塩村文夏議員(35)が妊娠や出産などに関する子育て支援策について都の取り組みをただした際、ほかの議員から「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか」、「産めないのか」などとやじを受けました。
塩村議員は18日夜、ツイッターで「政策に対してのやじは受けるが、悩んでいる女性に言っていいことではない」などと反発し、「リツイート」と呼ばれる引用が19日正午までに1万件を超えるなど波紋が広がっています。
19日午後、報道各社の取材に応じた塩村議員は、やじに同調する議員が複数いたことが残念だとしたうえで、「人格を否定するようなやじや政策と全く関係のないやじはするべきではなく、ひぼう中傷になる。質問に立つ議員を尊重してほしい」と述べました。
まず、大前提として他会派の議員が質問しているときに野次を飛ばして進行を妨げるという低俗な行為が横行していること。答弁の内容が不十分で飛ばす野次ならまだ理解できるが、質問を妨げるというのはその後の建設的な議論をすべて放棄する行為に他ならない。もっといえば、こんな野次を飛ばす人間を塩村都議含むみんなの党会派やほかの女性都議たちは絶対に信用のしようがない。別の議題での会派を超えた協力の可能性なども一切捨てているわけで、建設的な議会運営を否定する行為だ。当然都民の声など聞けるはずがないので議員としての素質に欠けるのは明白である。
しかも塩村都議本人が指摘しているように今回は政策の内容についてではなくて女性の存在そのものを傷つける発言である。「政策として支援が不十分なところをどう改善していくのか?」という問題提議をしているのに対して「はやく結婚した方がいい」「お前が結婚しろ」などと「女性個人の問題」に責任を転嫁しているのである。こんな考え方のもとでは子育て支援もへったくれもない。
さらに呆れるのは「産めないのかよ」という発言だ。「不妊に悩む女性に対する人権侵害」との指摘もあるが、この質問、聴いていると次に出てくるのは「男性不妊に対する周知のなさ」を改善する必要を説くものである。まさにコイツら(野次を飛ばした議員たち)のせいなのである。こどもができないのは男性側の体質が原因かも知れない、女性が責められるべきではない(もちろん女性側の体質的問題でも本来責められるべき話ではない)のに、周囲の理解がなくて苦しむ事例が多いという話をしようとしている、まさにそのときに「不理解に基づいたデリカシーのない発言」のよい悪例を与えてくれているわけである。人権侵害であるうえにバカをさらしている。ハズカシイったりゃありゃしない話だ。自民党都議団はじめ自民党は即刻全国の党員・党所属国会議員・地方議員らに対して不妊の啓発活動を行うべきだろう。
また、個人的に身震いするほど気持ち悪かったのは「独身らしいよ?」という隣席の議員に向けたであろうつぶやきだ。そう、この野次の主、質問者の塩村都議に対して明らかに性的な対象として見ているのだ。おお、おぞましい。壇上にあがった「美人女性都議」をいやらしい目で見るオッサン議員。
都議会の構成は127の議員に対して女性はわずか25人、発言者がいたとされる自民会派に至っては59人のうち女性は3人しかいないのである。大勢のおっさんたちから値踏みされ視姦され嘲笑されながらの質問、どんなに耐えがたいものであったか想像しきれない。
塩村都議の質問フルバージョンはこちらだ
この話題、最初に知ったのはツイッターでした。至極冷静な指摘が多く、断じて許してはならないセクハラと数の暴力の現状、よくわかるものでした。
しかし一転、冒頭にも挙げたNHKニュースを見たところ、「????」 強い違和感を持ちました。
もう一度リンクを。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140619/k10015348641000.html
このリンクはダイジェストなので本放送はもっと強い違和感を持ったのですが、席に戻るなり泣いてしまう塩村都議の背中を長回しで追い、落ち込んでいる塩村都議のインタビュー映像、「超党派で女性都議も支援しています!!」として都議会会派「結いと維新」の田中朝子氏の簡易インタビュー(田中氏は結いの党所属で塩村氏らとは当選後の会派結成をめぐり争った仲である。)へとつなぎ、スタジオに戻ると「おなじ女性が受けた発言としてとうてい許すことはできません」と井上アナウンサーのコメント。
という、一連の「演出」である。
もう一度強調しておくが今回の野次が女性に対する言葉の暴力でありとうてい是認しえないものであることはたしかであるし、塩村都議自身が受けた精神的苦痛に対しても計り知れないものがあるのは認める。
が、NHKのニュース報道の持っていきかたには「か弱くて可哀想な女性都議を男性たちがよってたかっていじめた、かわいそう」「それをほかの会派の女性都議たちも超党派で応援している!がんばれ!」あまつさえ「やっぱり男は頼りにならない!」みたいな単純化された図式に感じてしまう。
こうなるともはや、この問題を報じることは一種のエンターテイメントである。
「男社会のなかで女性が傷つけられ、それでもひたむきに頑張る。そしてそれを女性たちが守る。」という物語としての形式に無理やりはめ込んでいるのである。
これは巷間にあふれる「女社長孤軍奮闘物語」みたいなものとおなじで、ある意味では「女」を記号として消費している、新しいかたちの性差別表現だ。
90年代以降「女性の自己実現」を強調する物語が増えたが、そこで求められる新たな女らしさみたいなものは必ずあって、「仕事も恋も家事もこなす女」であり、必ず「容姿端麗」でなくてはならないことになっている。 「男性社会のなかでやってくのは大変なんでしょ」「でもやっぱり家庭をもつのが女の幸せなんでしょ?」という性差に対する偏見がある。そして女性として実現できる自由に必ず限界があるばかりか、周囲の理解が得られず達成できなかったとき、それは明らかに女性の自由な生き方を否定する動きであっても「女性自身が理解を得るための努力をしなかった」ものとして「自己責任化」されるのである。しかも「個人の力」で様々な障壁を乗り越えられるとしてしまったせいで本来社会的な改善が必要な構造的諸問題についてもフェミニストの連帯を分断してしまった。こうした「女性の、個人による自己実現」を強調する諸運動、文化的諸表象は「ポストフェミニズム」と呼ばれ、女性に対する構造的暴力を可視化しづらくするものとして懸念されている。
僕は今回のNHKの報道姿勢に「女性差別に立ち向かう女たち」という定式におとしこめた、ポストフェミニズム的女性観を感じたのである。
心無い野次には猛然と言い返す無所属の西東京市議会議員 納田さおり氏は自身のFacebookで
「ヤジられることに馴れきってしまった私には庇ってもらえて良いですねとしか思えませんでした。
ちなみに私だったら「子どもがいないから出産や子育て支援の質問をしてはいけないのですか?子どもがいないからこそ、客観的に見れるものもあるのでは?ではご自分でも子どもを育てた事がおありになるの?」と怒鳴り返してしてしまうだろうなとf(^_^;)...
女性だからこそ、燐とした対応の見せ処では。
もちろんヤジの内容は酷いですが、可愛そうに甘えてしまっては、女性議員の立場が舐められます。 」
と書いています。
さて、選挙ウォッチャーである僕としては当然塩村都議の名前を知っていて、どんなひとだかみんなに知られてるものだと思ってたのですが、ふと冷静になってみると都議会議員の名前なんてみんなそんな知っているもんじゃないですよね。いちおうおさらいしておきましょう。
1978年広島県福山市生まれの35歳、グラビアタレントなどを経て、明石家さんまの人気番組「恋のから騒ぎ」で高飛車なドSキャラとして大物芸能人にも強気な発言で臨み、人気を博する。その後放送作家に転身。ブログで動物愛護などに強い関心を示すようになり、維新政治塾に入塾し大阪都構想などにつよい感銘を受ける。都議選直前に所謂「従軍慰安婦発言問題」を受けて維新からの立候補を取りやめ、みんなの党に鞍替えして立候補した経緯を持つ。都議選につづく参院選でははやくも渡辺喜美代表のお気に入りとして政見放送の聞き手役として出演。参院選以前、みんなの党には女性国会議員が(みどりの風から脅迫的にぶんどった)行田邦子氏一名。テレビ慣れしていて見栄えがする(そして渡辺代表の言うことをよく聴く)女性党員としてとても重宝がられたのがよくわかる。
そのまんま東(東国原英男)氏の「予言」めいた発言。なんだかぞわっとしますね。
(埋め込みが無効にされていたのでYouTubeへのURLリンクです)
ことわっておくが、塩村議員の過去を暴いたからといった議員としての品性に関わる問題ではない。
維新からの衆院選立候補を取りやめたのも都議選をみんなの党から出ることにしたのも政策上の不一致ということになっているし(ほかの理由があったとしてもそれを表出しないだけのしたたかさは別に責められるべきものではない)、彼女が政策ベースでものを考えることができる都議である以上、有権者も政策で判断するのが賢明である。
当選後塩村議員はペット虐待の問題や子育て支援の問題に真摯に取り組み、よく調査している。
特にペットショップにおける生体販売の問題、上の動画の4:00から、劣悪なペットショップにおける動物愛護法違反、そして都が都民の通報を適切に処理せずに不適正事業者の認可更新を続けていた問題。いままであまり指摘を受けてこなかった問題について提議していることは特筆すべきだ。
そして、「タレント出身の目立ちたがり屋なんだから騒がれ過ぎだよね」といった言説にも注意せねばならない。何度も繰り返すが、これは女性に対する構造的な差別の問題であり、被害者が目立ちたがり屋だろうがなんだろうがそんなことで矮小化したり正当化していい問題では到底ないのだ。
ただ、「か弱い女性都議」というメディアのミスリードはやや修正する必要があるのではないかと思った。
むしろ、これが片山さつきや稲田朋美のような「強い」女性であったなら(そんな野次はおこらないだろうが)この問題は大きく取り上げられなかったのだと思う。
だからといって「騒ぎすぎ」というのはおかしいのだ。
塩村議員がタレントや放送作家も経験したひとで「自分の見せ方」を狡猾にわきまえているからといって、あるいはたとえ今回の騒動のなかで多少それを利用しているとしても、
そうでもしなければ顕在化しなかった「常態化した議会異常」の問題がたしかに存在していることが問題であり、心無い、そして品もモラルも知性もユーモアもない野次が横行していることを糾弾しているのは素晴らしい成果なのだ。
何度でも言おう。塩村文夏が恋からタレントだろうが高飛車ドSキャラだろうが、維新政治塾出身で選挙前に土壇場でみんなの党に鞍替えして当選してようがそんなことであのセクハラ発言が正当化されてはいけないのだ。ついでに言えばあの切込み隊長やまもといちろうブログの「一般論で言えば野次を飛ばした議員の資質が問われるのと別問題として塩村都議の資質も問われるべき」というのは不見識極まりない。塩村都議の過去は議員としての資質と無関係だ。それよりも当選後の政治的主張に目を向けるべきなのに彼は全くそこには触れていない。
(※やまもといちろう氏の当該コラムはこちら→
セクハラ野次@都議会事件に関する一般論による解説 Yahoo!ニュース トピックス)
複数の地方議会の女性議員の話を聞くに、子育て問題で非常識な野次を飛ばすのはいつも自民党議員である。
みんなの党の浅尾代表の記者会見のなかの言葉で、「公約に子育て支援を掲げている党の議員が実際にはそれと違うことを考えているというのはおかしい」と表明していたが、自民党の議員で子育て支援をちゃんと考えているひとなどほとんどいなかろうと思います。
(※みんなの党記者会見の様子はこちらに全文レポが→
みんなの党、発言者特定に声紋分析を実施~セクハラヤジ問題で塩村都議が会見~)
都議選のときも目立つところに「子育て支援」と書いているのに裏を見ると「行き過ぎた男女平等を見直し日本古来の家族の姿を取り戻します」とか「保育所に頼らずとも家庭で子どもを育てられるように支援します」とか時代錯誤も甚だしい文言を書いている候補者が多々いました。有権者はたいていそんなところ読まないですから。そもそも古来日本では農家や商家は共働きが一般的で、保守派が掲げている「伝統的家族観」とやらは武家に特殊な形態を維新後、あるいは戦後過度に美化するかたちで発展させた価値観でありさほど長い伝統ではありません。女が目立つのがひたすら我慢ならないようですね。
今回はおもしろインディーズ候補に注目するまでもありませんでした。だって主要候補といわれるひとたちがすでにインディーズ感満点だったから。当選した舛添さんなんて新党改革というマニアしかしらない小政党の代表だったひとですよ。ほかにも「新党ブーム」の立役者で非自民8党連立政権を樹立した日本新党の細川護煕元首相、前回都知事選で社民党・日本共産党・日本未来の党・みどりの風・新社会党・緑の党・東京生活者ネットワークという一見広くも狭いカテゴリ内の多くの小政党から推薦・支持を受けた宇都宮健児氏(※今回都議会生活者ネットは細川氏を支援)、石原元都知事らの応援で見事「脱泡沫」に成功した元航空幕僚長田母神俊雄氏らを筆頭に、「2000RTされたら出馬します」という冗談のような理由で出馬したIT企業家の家入一真氏、おなじみドクター・中松氏やマック赤坂氏ら16人が立候補しました。
実際各候補者の政策もよく練られていないと感じるものが多く、論戦では「議会と粘り強く交渉する」「都民のみなさんにおねがいしていく」といった問題の先延ばしとも受け取れる発言が各候補者から相次いだ。
結果、舛添氏が211万2979票という得票数で当選、2位宇都宮氏(98万2594票)、3位細川氏(95万6063票)にダブルスコアの大差をつけた。
投票率は46.14%。2012年の前回(62.60%)を大幅に下回り、過去3番目の低水準となった。
(都知事選2014の都選管投開票速報ページはこちら⇒東京都-H26東京都知事選挙投開票速報)
投票率の特に低かった開票区を見ると奥多摩など大雪で交通が分断されていた地域が多く、こうした選挙区では一部の投票所で投票締め切りが前倒しになるなど利便性に大きな影響がでた。だがここまで低い投票率というのは大雪の影響だけではない。16人の候補者の多くが60代以上の高齢で、若者が疎外感を感じたことや、猪瀬都知事就任から約1年での選挙に「また辞めるのではないか」と期待感が持てなかったこと。オリンピック招致の推進や原発依存度の低下、雇用と社会保障の問題などの争点不足にもあったと思われる。
事前の世論調査などでも終始舛添氏優勢が伝えられ、自民党や公明党、連合の全面的バックアップを受けて盤石な戦いを進め、きわめて堅実に勝利を収めた。
さて、今回細川陣営には細川氏自身に加えて小泉・菅・野田と少なくとも4人の首相経験者が集い、民主・生活の党・結いの党が支援。ほかにも維新の会の国会議員や生活者ネットやみんなの党含む地方議会議員、旧日本新党関係者がつどい、都知事選で細川さんを応援するためという時期的にもトピック的にも限定したものだったとはいえ、その規模はいちばん大きかったときの民主党に匹敵し、自民党に対抗しうる人脈的広がりをみせた。これは政界再編のなにかヒントになる気がする。ひとつは「伝説の人物」の登場だ。細川護煕という、長らく隠遁していた政権交代を実現したスターがあらわれたという物語性が、反自民勢力を一気に活気づかせたということだ。昨今の自民党で首相経験者の安倍氏や麻生氏が再登板し、小泉元首相の息子である小泉進二郎氏が人気を集めているのも似た傾向だ。とにかく、いま政治は「安定志向」を望んでいて、昨今の政治の低迷を「最近の政治家はだめだ」という理由に落とし込め、よかった昔(そんな時代は実際には存在しないのだが)を思い出させてくれる当時の政治家やその2世に期待しているのだと思う。あるいは、日本維新の会など坂本龍馬や幕末の英雄ら歴史上の人物を標榜する動きもそれとやや似た傾向なのかもしれない。とすれば、政界再編の鍵は日本近代政治史上の歴史的人物やその家族を旗印にしたり、形だけでも標榜することが重要になりそうだ。
参考リンク:
山形の農協が価格カルテルを結んでいたとして公取委から検査を受けている事件。
公取委の幹部自身が「ほかの地域でも同じ行為をしている可能性もある」としているのに、なぜこのタイミングで、山形なのか。
じつは先の参院選でJA山形中央会は、TPP参加などへの不安から自民候補を推薦せず、はじめて野党統一候補で現職(当時)の舟山康江氏を推薦していました。
これに対して自民党側は猛反発。自民党TPP対策委員長の西川公也衆院議員(栃木県選出)が31日に来県し、米沢市内で農業関係者や地元議員ら約50人を前に
「いま自民党を敵にして農業が大丈夫だと思っているのか」などと脅しとも取れるような発言を行い議論を呼びました。
(TPP:議論白熱 自民・西川対策委員長、県農政連に怒り /山形)
結果、山形県選挙区は全国で31カ所ある改選数1の選挙区(1人区)の中で、当選者と次点候補が最も競った選挙区となり、2万739票差で自民党の落下傘候補が舟山氏に競り勝った。
自民党を敵に回したら、痛い目に合うぞ、というメッセージなんでしょうね。
さて、青森でも農政連が野党候補を含む複数候補を推薦、群馬でも一部地区農協が野党候補の支持を唱え県大会が紛糾するなどしました。
"公取委幹部は「農業を支えるべき役目の農協が、収入確保のためにカルテルを結ぶのは悪質だ」としている。"
たしかに、いまの農協のなかには、農家を助けることではなく、農協を存続させることが第一義となり、結果農家を苦しめるような行動をとっているようなところが少なくないと聞きます。
しかし、今回の検査はあきらかに見せしめです。公取委は消費者を助けようとか、農協に苦しめられている農家を救おうとか、そんなことは考えちゃいません。
権力にたてついて負けた連中だから捜査しやすいとか、そういうことしか考えてはいません。
大手商社に匹敵する流通機能、メガバンク以上の預金高を誇る金融機能、大手生保を上回る契約件数を持つ共済機能、そして強い政治的発言力を持つ日本最強のコングロマリットであるJAグループ、
かねてよりTPPに断固反対の姿勢を示してきましたが、これからどうなっていくのか、非常に注目されます。
山形・庄内の5農協カルテル容疑 コメ販売手数料で :日本経済新聞
農協カルテル「農家守るべきなのに悪質」 公取委幹部 :日本経済新聞
東京新聞:参院選 338人出馬準備:政治(TOKYO Web)
夏の第二十三回参院選に二日現在で選挙区二百二十一人、比例代表百十七人の計三百三十八人が立候補の準備を進めていることが本紙の調べで分かった。第二次安倍政権発足後初の大型国政選挙。安倍晋三首相が強い意欲を示す憲法九六条の改正をはじめ、脱原発や環太平洋連携協定(TPP)交渉参加、震災復興、安倍政権の経済政策などが争点になる。
首相は通常国会を延長しないと明言したため、公選法の規定により参院選の日程は「七月四日公示、二十一日投開票」が濃厚。
今回は定数二四二のうち半分の百二十一議席(選挙区七十三、比例代表四十八)が改選される。自民、公明の与党は衆参両院のねじれを解消しようと、改選と非改選合わせて過半数の確保を目指す。与党の非改選議席は五十九で、過半数(百二十二議席)には六十三議席が必要。
自民、みんなの党、日本維新の会など改憲に積極的な勢力が、衆院と同じように改憲の発議に必要な三分の二(百六十二議席)に達するかも焦点だ。
民主党は衆院選惨敗の影響で、候補未定の改選一人区が残る。自民党は全選挙区に候補を擁立。みんなの党と日本維新の会は十六ある改選複数区で一本化を終え、一人区で調整を進めている。
この参院選に関しては、統一教会(日本)の発行する世界日報(ソンゲイルホ)にも野党共闘が進んでいないことなどを指摘する解説記事が載っています。
今日のトピック/参院選328人が出馬予定-自公選挙区擁立終える、野党共闘進まず
12月の衆議院選挙では独自路線を堅持し、「男を上げた」と評価されたみんなの党は今回日本維新の会とぴったり寄り添うように行動し、共通公約作りや合同セミナーの開催、候補の一本化といった選挙協力を全国規模で進めています。ここまでくるとなんで同じ党にならないのか不思議なくらいです。
一方、脱原発、TPP反対や雇用問題の改善、消費増税の見直しなどで連携を強める社民党や生活の党、みどりの風などは参院選で協力体制をつくることで合意しました。
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130426k0000m010045000c.html
さらに、脱原発を目指す草の根の市民グループ「脱原発政治連盟」が立ち上がり、脱原発を目指す候補者への勝手連的な支援を表明、こうした候補者の供託金集めにも協力するとしています。脱原発政治連盟はボストン茶会事件や米共和党支持者の草の根運動「ティーパーティー」をもじり、「緑茶会」という愛称で活動しています。
東京新聞:参院選へ緑茶会発足 「脱原発」結集 1次推薦40人:政治(TOKYO Web)
呼びかけ人にはプロジェクト99%代表で作家・社会運動家の安部芳裕氏や、ドキュメンタリー映画監督の鎌仲ひとみ氏や元日弁連会の宇都宮健児氏らが名を連ね、推薦し支援する候補は民主党やみんなの党、社民党、生活の党、みどりの風、共産党、無所属で一部候補らだ。候補者選定には(1)原発の再稼働(2)核燃料の再処理(3)原発の海外輸出-の三点に反対しているかどうかを基準にしているとしている。衆院選で政策の一致無くしてみんな未来の党にいっしょくたになってしまったので敬遠された部分というのは大きいと思うのですが、今回も同じ失敗に終わる気がしますね。山口補選の結果を見ても脱原発は争点にならないようです。
さて、これで大方主要政党の動向がわかりましたが、つぎは気になる「諸派」の動向を見ていきましょう。
新党改革は舛添要一代表が改選を迎える。同党は昨今安倍晋三首相や自民党との連携を深めているが、党勢が弱まり比例区での再選が難しいとして選挙区への転出を検討している。具体的には今回から改選定数が1増える神奈川選挙区の名前が取りざたされている。また「無所属」で出馬し自民党から推薦を受けることなども検討しているという。(舛添氏、崖っぷち? 参院選『無所属』検討 小林吉弥氏「非常に奇異に映る」 - ZAKZAK)
諸派の新党大地は北海道選挙区から前衆院議員の浅野貴博氏を擁立。現在の所属議員は衆議院比例北海道の石川知裕氏と非改選の横峯良郎参議院議員一名となっている。浅野氏は横峯議員と合わせ参院会派再結成を狙う。なお陸山会事件で有罪判決を受け最高裁に上告中の石川氏は早ければ連休明けにも議員辞職を発表すると表明しており、鈴木宗男氏長女の貴子氏が繰り上がり当選する見込み。
沖縄社会大衆党は現職の糸数慶子委員長を擁立。沖縄選出の野党議連(うりずんの会)や緑茶会からも推薦を受ける。
解散した国民新党の元代表自見正三郎氏は当初自民党への復党を目指していたが、自民党側が難色を示し、無所属での出馬を模索中。国民新党の支持基盤となってきた郵政局長会議が自民党支持に復帰するほか、日本医師会も自民党に支援する組織内候補が復帰したため、自見氏が当選するのは難しいとみられる。
元改革クラブで新党改革の結党に反対し、その後幸福実現党に入党し話題を呼んだものの再び離党し無所属で活動していた大江康弘参議院議員も改選を迎える。かねてから自民党への復党意思を表明していたが、このほど参院選前に議員辞職し、自民党から公認を得て参院選出馬する方向となっている。
緑の党は現在までに4人の共同代表ら7人の擁立を決め、今後も公認・推薦候補の選定を進める。
元国民新党幹事長の下地幹郎氏が率いる政党そうぞうは辺野古移設推進などで大阪維新と政策協定を調印。そうぞう側が独自候補を擁立し維新が推薦する方針。(大阪維新の会、参院選に向け沖縄の地域政党と選挙協力で一致)
幸福実現党は47の選挙区と比例区すべてに候補者を擁立している。比例区には衆院選の結果を受けて引責辞任したついき秀学に代わり8代目の党首に就任した矢内筆勝を擁立している。
12月の衆院選に候補者を大量擁立した「日本未来の党」から分派し、現在は阿部知子衆議院議員(元社民党政審会長)が率いる政治団体日本未来の党は現時点で独自候補を擁立していない。政策アドバイザーに退いた嘉田由紀子滋賀県知事は知事職を全うするとして参院選出馬を否定している。政治団体日本未来の党は今年に入り政策セミナーなどを活発化している。嘉田氏が代表を務める「未来政治塾」でも二期目の講義が開講されている。
なお、12月の衆院選前に日本未来の党に合流した勢力のうち、本流の「生活の党」をのぞく勢力の動向だが、「新党きづな」は所属していた前議員が全員落選、一部は生活の党の前議員らと行動を共にしているが、きづなとしての活動はしていない。河村たかし名古屋市長が率いる減税日本は当面名古屋市を注意しんとした地域政党として活動する方針で、参院選への協力などについては現時点で態度を明言していない。
なお減税日本で代表代行を務めた前衆議院議員の小林興起氏は「真の保守の結集」、「一億総中流社会の日本社会の再現」などを標ぼうして4月26日に新しい政治団体「つばさ日本」の立ち上げを宣言。参院選や都議選への候補者擁立をめざし募集要項を公開している。
小林興起氏:「つばさ日本」設立 参院選候補擁立へ-毎日jp(毎日新聞)
河村氏と県議会運営で協調姿勢をとる愛知県知事のお大村秀章氏が率いる地域政党「日本一愛知の会」も参院選への態度を表明していない。
また衆議院選挙後に同党を離党していた亀井静香衆議院議員(元郵政改革担当大臣、元国民新党代表)と衆院選で落選していた山田正彦元農林水産大臣はその後みどりの風に合流している。
また、解散していた女性党は「なかよしの党」として再結党。候補者擁立を模索している。
ネット右翼時代の到来とともに急速な若返りを果たした維新政党・新風は東京都選挙区に代表の鈴木信行が立候補するほか、神奈川や埼玉などの選挙区や比例区から現時点までに6人の候補者を選定し終え擁立する方針。
ワーキングプアや若者の貧困の問題とともに若い党員が増えている新社会党は現時点で独自候補を擁立していない。
「新党今は一人」の俳優山本太郎氏や、民主党を離党して無所属で活動後、衆院選には「改革の志士」という政治団体を立ち上げ立候補していた横粂勝仁氏らは現時点での参院選への出馬を否定している[a]。あきつ新党のさかあきとし代表は参院選への候補者擁立を2012年5月時点で目指していたが、その後発表はない。世界経済共同体党の又吉イエス(光雄)代表は参院選への出馬を目指している。
NHK日曜討論がみどりの風の出演を拒否し、これに抗議したみどりの風との間で対立が続いています。
以下は同党幹事長の亀井亜紀子参議院議員のホームページからの引用です。
党としては現在、NHKと戦っています。国民の税金が投入されている公共放送のNHKに政党を選別する権利はないと思いますが、NHK「日曜討論」のチーフプロデューサーが「みどりの風」を政党として認めず、国会議員数では同数の社民党(6人)と少数の国民新党(3人)は出演させるけれども、「みどりの風」は出演させないと突っぱねているのです。呆れたことに「みどりの風」を出演させないのは、討論番組を有意義にする為の編成権の範囲だと言い出しました。政党は法律上、国会議員が5人以上、または選挙において得票率2%以上のどちらかを満たしていればいいのですが、このチーフプロデューサーは両方満たしていなければ政党ではないと主張しています。なぜNHKは法律を超えた勝手な基準をつくるのか文書で回答するよう、昨日(2月5日(水))求めたところです。
以上のような理由でNHKとは全面戦争に入りました。公共放送としてあるまじき行為について、私達はテレビ入りの予算委員会やNHK予算の審議において、徹底追求していくつもりです。私達の姿が討論番組で見られないのを不思議に思っている方々から問い合わせをいただいておりますが、このチーフプロデューサーの責任であることをご報告致します。
また、2月5日にはみどりの風側とNHKの折衝がありましたが「後日回答」というだけのお答えで、意見の一致は見られなかったそうです。(谷岡郁子氏ツイッター)
私はこどもの城・青山劇場問題でも活用しているインターネット署名プラットフォームのチェンジ・オーグを使ってNHKに対し「少数政党をNHK『日曜討論』出演から排除する行為の停止 及び 番組出演のための独自の政党要件の設定の廃止」を訴える署名ページを立ち上げました。
キャンペーン | 日本放送協会: 少数政党をNHK「日曜討論」出演から排除する行為の停止 及び 番組出演のための独自の政党要件の設定の廃止 #nhk_touron | Change.org
NHKと監督するBPOに対し
迅速なご対応をお願いいたします。
という意見を届けます。
重ねて、NHK「日曜討論」の公式ページを紹介します。ここには視聴者の意見を直接送信するメールフォームがありますから、ぜひみどりの風の参加を認めない決定に抗議するメッセージを送りましょう。
厚生労働省はこどもの城閉館の理由として「老朽化」を挙げているが、まだ築30年である。毎年国家予算で適切なメンテナンスがなされ耐震などの安全性や外観には全く問題ない。現在でも週末は混雑する人気施設で収益も黒字。メンテナンスにカネをかけ過ぎていたというのならカネのかけかたを是正すれば良いだけで、閉館する必要はどこにもない。先日も改装したばかりだ。青山劇場に関しては舞台関係者から舞台装置などをより現代的なものにしてほしいという要望があるようだが、これも改修すればよいだけで閉館の理由にはならない。
ほかに厚労省が理由としてあげているのは「公立児童館の普及」や「民間施設が人気であること」、しかし実際には94年をピークに公立児童館の数は年々減少していて、こどもの遊び場は限られてきている。渋谷では今年3月に都の福祉保健局管轄で運営されてきた「東京都児童会館」が閉館したばかりで、地域からふたつのこどものための大型施設が失われることになる。これに対し渋谷区議会は自民、民主、共産など全会一致でこどもの城閉館に抗議し国に存続を求める決議を採択。また民間の施設は児童保育施設か、単なるアミューズメント施設かであって、役割がまったく異なる。こどもの城のように幼児から中学生高校生まで幅広い層の子供が遊べて、学べる総合教育科学芸術文化施設は公共・民間問わずほかにどこにもない。
存続を求めるキャンペーンサイト
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