山形の農協が価格カルテルを結んでいたとして公取委から検査を受けている事件。
公取委の幹部自身が「ほかの地域でも同じ行為をしている可能性もある」としているのに、なぜこのタイミングで、山形なのか。
じつは先の参院選でJA山形中央会は、TPP参加などへの不安から自民候補を推薦せず、はじめて野党統一候補で現職(当時)の舟山康江氏を推薦していました。
これに対して自民党側は猛反発。自民党TPP対策委員長の西川公也衆院議員(栃木県選出)が31日に来県し、米沢市内で農業関係者や地元議員ら約50人を前に
「いま自民党を敵にして農業が大丈夫だと思っているのか」などと脅しとも取れるような発言を行い議論を呼びました。
(TPP:議論白熱 自民・西川対策委員長、県農政連に怒り /山形)
結果、山形県選挙区は全国で31カ所ある改選数1の選挙区(1人区)の中で、当選者と次点候補が最も競った選挙区となり、2万739票差で自民党の落下傘候補が舟山氏に競り勝った。
自民党を敵に回したら、痛い目に合うぞ、というメッセージなんでしょうね。
さて、青森でも農政連が野党候補を含む複数候補を推薦、群馬でも一部地区農協が野党候補の支持を唱え県大会が紛糾するなどしました。
"公取委幹部は「農業を支えるべき役目の農協が、収入確保のためにカルテルを結ぶのは悪質だ」としている。"
たしかに、いまの農協のなかには、農家を助けることではなく、農協を存続させることが第一義となり、結果農家を苦しめるような行動をとっているようなところが少なくないと聞きます。
しかし、今回の検査はあきらかに見せしめです。公取委は消費者を助けようとか、農協に苦しめられている農家を救おうとか、そんなことは考えちゃいません。
権力にたてついて負けた連中だから捜査しやすいとか、そういうことしか考えてはいません。
大手商社に匹敵する流通機能、メガバンク以上の預金高を誇る金融機能、大手生保を上回る契約件数を持つ共済機能、そして強い政治的発言力を持つ日本最強のコングロマリットであるJAグループ、
かねてよりTPPに断固反対の姿勢を示してきましたが、これからどうなっていくのか、非常に注目されます。
山形・庄内の5農協カルテル容疑 コメ販売手数料で :日本経済新聞
農協カルテル「農家守るべきなのに悪質」 公取委幹部 :日本経済新聞
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