〔こどもの城〕は、1979年(昭和54年)の国際児童年を記念して、厚生省(当時)が計画・建設したもので昭和60年11月1日に開館し、乳幼児から高校生までの全児童を対象に、幅広い福祉・文化活動を行っています。
総合児童センターとして常に先駆的で実験的なプログラムの開発を心がけ、全国に普及していくこと、そして国際的視野に立って世界各地の子どもたちと交流を図ることを運営の基本にしており、「こども活動エリア」で毎日行われている数々のプログラム、〔こどもの城〕ならではのユニークな内容の講座・クラブ - 数々の実践を通して、次代を担う子どもたちが心身ともに健やかに成長していくことを目指して活動しています。
そして、平成6年度から国の助成を受けて始まった〈動くこどもの城〉は、〔こどもの城〕が持っているさまざまなノウハウを紹介すると同時に、全国の児童館・児童センターとの交流・情報交換を進める場として重要な活動の一つになっています。
また、子どもたちだけでなく、子どもを取り巻く親や福祉関係者を視野に入れた、子育て支援活動や研究・研修活動も行っています。(こどもの城が目指すもの)
そんなこどもの城が、来年3月までに閉館し取り壊される意向になったというニュースが今年9月28日報じられた。
東京・渋谷の「こどもの城」、閉館へ 厚労省、平成27年3月末に 施設の老朽化などが理由(MSN産経ニュース)
厚生労働省は28日までに、国立総合児童センター「こどもの城」(東京都渋谷区)を平成27年3月末に閉館することを決めた。施設の老朽化などが理由。
こどもの城は児童の健全な育成を目的として昭和60年に開館。現在は財団法人「児童育成協会」が国の補助金で運営しており、子どもが親と一緒に球技や水泳、図工などの体験教室を楽しめるほか、劇場も併設されている。平成23年度の来館者数は約85万人。
厚労省が22年に実施した省内の事業仕分けで、仕分け人から民間委託を含めた事業の見直しを求める声が相次いだ。老朽化に加え、最近は民間のテーマパークが人気を集めていることから、厚労省は国立施設としての役割を終えたと判断した。跡地利用は未定で、今後検討する。
「こどもの城」閉館 TAROの遺志はどうなる(ゲンダイネット)
制作者の意図はお構いナシ
親子の遊び場として親しまれてきた東京・青山の「こどもの城」が、約30年の歴史に幕を閉じる。施設を所管する厚労省が28日、15年3月に閉館すると発表した。
建物の老朽化などを理由に挙げたが、この施設は2年前の省内事業仕分けで「事業見直し」の対象に。運営委託先の財団への天下りも禁じられた。厚労官僚にとって、もはや存在意義を失っていたのだろう。
問題は施設の正面に設置されたモニュメントの行方だ。「芸術は爆発だ」の名言で知られる岡本太郎の代表作「こどもの樹」である。
国から「子供向け施設にふさわしい作品を」と依頼された岡本は、このモニュメントに自分の信念を注入した。ウネウネと八方に伸びる枝の先にある無数の子供の顔には「子供は一人一人、違っていい」「一人の子供にも、いくつもの顔がある」というメッセージが込められている。
子供施設にあるからこそ、存在意義が増す作品なのだが、厚労省は岡本の制作意図など、お構いナシ。まず閉館ありきで、跡地利用は未定。作品の行方についても、ノープランだ。
「かなり貴重なモノとは思いますが、保存については白紙です。作品は現在『国有財産』であり、何らかの形で残すとすれば、財務省や、岡本氏の遺族が設立した財団と意見を調整する必要があります。どこかに作品を譲ることになった場合、無償か有償かの判断も現時点では何も言えません」(厚労省児童家庭局育成環境課)
岡本の遺族が設立した財団法人の常務理事で、「岡本太郎記念館」の平野暁臣館長は「厚労省サイドから、閉館の話は事前に何も聞かされていませんでした」と明かし、こう続けた。
「仮に施設が本来の意義を失ったとしても、作品自体のメッセージは普遍です。今の子供教育を考えれば、作品の価値や意義は消え去るどころか、ますます大事になっています。『作品は作家の手を離れれば、大衆のモノ』というのが、岡本太郎の考え。政府が作品をどうすべきかは、大衆の判断に従って欲しい」
霞が関官僚の芸術の理解度が試されている。
実は何を隠そう僕自身、音楽とふれあうきっかけはこのこどもの城で開かれていた幼児向けの音楽講座に週1回定期的に通っていたことでした。クラスはそのまま上級者向けのクラスに持ちあがり、中学生時代パーカッション・アンサンブル(平たく言うとフルオーケストラから金管木管楽器と弦楽器を除いたその他;マリンバやヴィブラフォン、ウィンドチャイム、ティンパニ、シンバルなど)のクラスを辞めるまで続けました。
僕が通っていた当時から区営児童館は十分に整備されていた地域からも多くの児童がパーカッションやガムランクラスなどユニークなプログラムを求めてレッスンに通ってきており、他所にない大きなプレイグラウンドや実験施設に来たこどもたちは遠方から来たにも関わらずここで新しい友達をつくり、必ず「またここに来たい」「と言って帰っていきました。各地に区営児童館等が整備され、その役割を終えた」とする主張は当たりません。
さらに言えば「民間のテーマパークが人気を集めていることから役目を終えた」という主張も全く見当違い甚だしいものです。こどもの城は単に巨大アスレチックや巨大プレイグラウンドを備えた子供の遊び場であるレジャー施設であるだけでなく、同時に遊びながらこどもの知的好奇心を育て、アートや数学、物理、化学、生物へと関心を向かわせる知育の場であったのです。そしてそうした単日体験できる遊び場のほかに、僕が通っていたような定期的に通える数々の教育・文化プログラムも非常にユニークかつ意義深いものでした。こうした包括的な取り組みは決して民間のテーマパークにできるものではなく、そもそもこうした多角的な視点自体がなかなか持てるものではありません。
また、併設されている青山円形劇場、隣接する青山劇場も取り壊しの対象になっていることにも注視しましょう。青山円形劇場は小さいながらも音楽クラスのこどもたちの胸を張れる発表会の場となっていただけでなく、古代ギリシアの円形劇場の伝統を現代によみがえらせるようなユニークな構造で実験演劇の発表の場ともなっていました。青山劇場は「アニー」をはじめ多くのミュージカル、レビュー、コンサートなどの場として親しまれてきた都内の代表的な劇場の一つです。老朽化したとはいえまだまだ現役。渋谷の文化拠点として取り壊すにはあまりに惜しい。
さて、そうしたこどもの城、青山円形劇場、青山劇場の3つの施設について、ウェブ上で署名を集め、要望書を提出するソーシャルアクションプラットフォームChange.orgで内閣総理大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣あての請願書としての提出をめざし署名あつめがはじまりました。2012/10/28現在の賛同者数は2804人です。あわせて国会提出用の紙ベースの署名あつめも行われています。是非ともご協力ください。同ページでは運動の進行状況も逐一報告されています。ご注視ください。
キャンペーン | こどもの城、青山劇場、青山円形劇場の存続を求めます!#kodomo_no_shiro #青劇 | Change.org
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