東京理科大学が、地元自治体の要望に反して経営学部が位置する久喜キャンパスについて2年生以上を東京神楽坂キャンパスに移転する計画を進めていましたが、計画を変更し、久喜キャンパスを完全撤退することになりました。キャンパスの立地はまちづくりに重要なファクターとなるため、市が校舎の建設費や周辺整備に必要な資金を拠出してきました。仮に廃校となれば周辺商業地区の経済に対する悪影響も計り知れないため、急な決定に対して地元自治体や議会は完全に憤りをあらわにしています。
東京理科大 久喜キャンパス「全面移転」 市に申し入れ
東京理科大が久喜キャンパス(久喜市下清久)の全面移転を久喜市に申し入れたことが二十三日、分かった。同キャンパスは二〇一六年四月に経営学部の一年生だけを残し、神楽坂キャンパス(東京都新宿区)への移転が決まっていたが、大学側は「想定した学生数の確保が困難」として方針を変更。市は、久喜キャンパス開校の際に多額の補助金を支出した経緯などから、撤回を求めている。
久喜キャンパスには経営学部と大学院(経営学研究科)があり、学生約千百人が在籍。市や大学側によると、同大常務理事会で一六年四月の全面移転方針が決まり、中根滋理事長が十七日、久喜市の田中暄二市長に申し入れた。市は撤回を要望し、七月九日の理事会に諮られる見通し。
久喜キャンパスは一九九三年四月に開校。市は大学側に用地取得費などで計三十億円を補助し、道路や下水道など周辺整備に約十億円を支出した。
大学側は一一年七月にも全面移転の意向を市に通知。存続を求める市と協議し、一二年六月、経営学部の一年生を残し、他は神楽坂キャンパスに移転することを決めていた。
同大広報課の担当者は、方針変更の理由について「想定した学生数の確保が困難。一年生だけを残すのは学校経営や教育面で効率的でない」と説明している。
東京理科大全面移転の白紙撤回求め決議 久喜市議会「一方的」
久喜市議会は26日、「東京理科大学経営学部久喜キャンパスの全面移転の白紙撤回を求める決議」を全員賛成で原案可決した。
決議文は全4会派の議員が共同で提出。同キャンパスは1993年4月の開校以来、21年にわたり市の知的基盤づくり、まちの魅力づくりに資する施設として重要な役割を果たしたとした上で、「市は土地取得費および校舎建設費に30億円の補助金を、周辺整備に10億円を支出することを決定し、市と市議会、市民が一体となり、全面的な協力と支援を行ってきた」と経緯を説明。
その後、同大が「2016年4月より2年生以上を神楽坂キャンパスへ移転し、1年生のみを久喜キャンパスに残す」と提案し、市と市議会は撤回要求を行ったが、12年6月、同大理事会は決定した。
さらに、同大常務理事会が経営学部を久喜キャンパスから全面撤退するとの決定について、「あまりにも一方的」と指摘し、「到底受け入れることはできず、強く白紙撤回を求める」としている。決議文は7月中にも手渡すことにしている。
それにしても、学校経営のむずかしさを身をもって学生に示す経営学部ってカラダ張り過ぎじゃないですかねえ!
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