///NEO HOT CLUB///
(2012.4.26 Thu)
メランコリーキャッツの部室に津上さんをお迎えして、小池さんとのフランクなトークライブみたいな感じで、津上さんの音楽遍歴を聞きながら実際にその音源をかけて鑑賞してました。
詳しい様子はめ~んずスタジオのアスカさんにお任せするのでこっち読んでね。
http://blog.livedoor.jp/mensstudio/archives/53852385.html
紹介されたトラック一覧がこちら(ネオホットクラブ公式サイト)
http://neohotclub.web.fc2.com/02.html
少年時代聴いていた音楽として紹介された渡辺貞夫の「サンダンス」のライブ映像がありました。
同時期カシオペアやスクエアなどのフュージョンも聴いていた津上少年、「ジャズってなんなのかよくわかんないけど、貞夫さんのはこれジャズだな。」と思って聴いていたそう。
ラジオやレコードで聴くナベサダに憧れた津上少年はついに新宿ピットインで行われたナベサダさんのライブのチケットを手にしますが、そこで行われていたのは上の「サンダンス」などとは全く異なるスタンダード/アコースティックジャズのライブでした。いままで聴いてきたフュージョンとはまったく異なるスタイルと観客の熱狂ぶりにここでもまた衝撃を受けます。なかでもある曲はテーマが捉えられず「しょっぱなからアドリブしはじめた!」と思ったそう。「しかもお客さんたちが大合唱を始める」後にラジオで放送された録音を聴いてその曲名が"Oleo"だと知るやレコード屋さんに買いに走りますが意外にもナベサダはこの曲を未収録。ナベサダさんがライブでやるくらいだから有名な曲に違いないと勘を働かせ(そして的中するのですが)マイルス・デイヴィスの「Bag’s Groove」のレコードを見つけ聴いてみるとライブでの超絶的な速いテンポではなくまったりした曲ではないですか。実はテンポを変えて演奏しているだけなのですがあまりの雰囲気の違いに津上少年「ジャズの世界では全く違う曲におなじタイトルをつけてしまうことがよくあるのだ」と考えたと語っています。
ジャズの世界でよく演奏されるスタンダード(定番)曲であるソニー・ロリンズの「Oleo」、テンポの違う2バージョンの動画をどうぞ。
津上さんの興味はジャズに留まらず、ポップスもかなりの数を聴いています。英米のロック/ポップスミュージシャンのバックをジャズミュージシャンが務めることもしばしばですがそういった中に名演が残されているのを津上さんは見逃しません。
ここでは持ち合わせがなくてネオホットクラブの会場で聴くことができなかったビリー・ジョエル1977年のヒット曲「ジャスト・ザ・ウェイ・ユー・アー」(邦題:『素顔のままで』)を、フィル・ウッズのサックス・ソロに注意して聴いてみましょう。
うーん、いい曲。脇を固める中にもリチャード・ティーやラルフ・マクドナルドらジャズ畑のミュージシャンが多く参加しています。
次に紹介されたのはなんとドナルド・フェイゲン1982年のアルバム「ナイトフライ」から!「マキシン」でのマイケル・ブレッカーのサックス・ソロです。津上さんいわく、マイケル・ブレッカーの一番いいソロだとのこと。
ムード満点です。このアルバムではほかにラリー・カールトンやランディ・ブレッカー、ロニー・キューバ、ジェフ・ポーカロ、マーカス・ミラーら有名ミュージシャンが多数参加しています。
次に紹介されたのはジャズで最も有名なレコードジャケットとして有名なソニー・クラーク(ピアノ)の「クール・ストラッティン」からのタイトルトラック。さきほどまでのフュージョン路線から一気にジャズらしいジャズで攻めてきましたね!メンバーはアート・ファーマー(トランペット)、ジャッキー・マクリーン(アルトサックス)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)
マクリーンのソロは3:56付近から。簡単なフレーズの連続を絶妙に良いソロに仕立てています。マクリーンはかなり拍を遅く引っ張って刻んでいて「リズムを点ではなく面でとらえる」のを説明するときの好例なんだそう。
おつぎはモダンジャズの父チャーリー・パーカー "The Song Is You"
やはり拍がかなりうしろに引っ張られて演奏されています。これはズレているわけではなくてリズムを面で捉えて、面同士の接地点をうしろに設定した結果なんだとか。
つづいてもチャーリー・パーカーの1952年ヴァーヴ・レコードからの作品"the Genius of Cherlie Parker #3 - Now's the Time"から、"Kim"
さきほどの"Oleo"と同じ「循環」と呼ばれるコード進行の曲です。この曲では実際にしょっぱなからアドリブをキメていますね。若き日の津上氏はこれを超スロー再生してどうやって吹いているのか聴いてみたそう。こんなに早いテンポでムチャクチャ吹いてるみたいに感じるのに、スロー再生させてもちゃんと後ノリでスウィングしていた!恐るべきチャーリー・パーカー!
と、全部紹介したいのですがちょっとスペースを取り過ぎましたね・・・。
最後にデューク・エリントンのエッセイを小池直也さんが朗読しながら、津上さんのサックスを演奏するパフォーマンスで終了しました。
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